医療の質と検診の質(2008-1-31 第9回 がんの予防と検診に関する講演会)を聴いて次のようなことを感じた。
・・・ 数字の比較だけでは危険、いいことだけ書いてある治療法は危ない、客観的な判断基準として十分なものはまだ少ない、過剰診断に注意 ・・・ など。
医療の質(医療の質を理解するための基礎知識):東 尚弘先生
1.新聞などに載る数字だけを見て判断しないこと
例えば、ある病気に関する病院別の治癒率、死亡率などは分母の定義が病院ごとに異なるケースが多いので、数字だけの比較は適切とはいえない。
2.手術後の生存率(例えば5年生存率)はその病院の現在の実力とは限らない
5年前と現在では、医師や設備なども変わっている可能性があり、要注意
3.診療過程評価(適切な診療行為が行われているか)が重要
現在は患者自身が複数の病院を訪れて、診療方法を聴くなどして自分でその病院や医師が信頼できるか否か判断することが重要である。
なお、講演では触れなかったが、講演者の東 尚弘先生がJIM(2005/3)に投稿された外来における医療サービス評価 診療プロセス評価のすすめの文献も参考になりそうである。
検診の質(良質な検診とは?):佐川 元保先生
1.検診の有効性は生存率でなく死亡率の比較で判断するのが適切
いろいろなバイアスが掛かるので注意が必要、例えば検診で見つかった初期の病気を早期治療すれば生存率が長くなるのは当たり前で、それだけで検診の効果があったとは言えない。
2.検診によるリスクもあるので新しい検査法を妄信しないこと
肺がんCTスキャン、消化管の内視鏡カメラなどはまだ検診法としての有効性はデータの上では確認されていない。過剰診断や検査によるダメージも考慮する必要がある。医師との相談の上、自己責任で判断する段階である。
3.標準の検診法では手遅れになるリスクの大きい病気に対しては?
肺がんの早期発見に有効とされているCTスキャンは、まだ有効な検診法と認定されるデータはない。X線検査法で疑いが出た場合には精密検査として使用することが推奨されているが、高齢者の場合は、個人の判断でCTスキャンを最初から希望するのも選択肢のひとつになる。
それから、講演者の佐川元保先生が講演の中で祖父江班(現在の濱島班)の作成したがん検診のガイドラインを紹介していたが、昨秋の第48回日本肺癌学会総会(2007/11/8-9 名古屋)特別講演(肺癌の罹患率と死亡率の激減を目指して)は内容が充実していて一読に値する。
2008年02月01日
2007年06月05日
死亡率トップの肺がん対策:新しい検診法(CTスキャン)と最新治療
| 死亡率トップの肺がん対策:新しい検診法(CTスキャン)と最新治療 | |||
| (2007年)5月前半、讀賣新聞に連載された「医療ルネッサンス」は「肺がん」特集だった。これらの情報は新聞以外に、YOMIURI ONLINE の医療コーナーにある「病院の実力」肺がん手術 「胸腔鏡」4割 (2007年5月7日)や「医療ルネッサンス」にも数日遅れで転載されている。 2007.6.17 発行の「読売ウィークリー」にも 8ページの特集記事が組まれ、こちらは新聞記事より分かりやすい編集になっている。 死亡率がトップになってしまう原因は、肺がんが見つかった時点で手術しても転移による再発率が高く、手遅れになってしまうからだ。通常の検診は胸部レントゲン撮影で行われるが、この方法で早期発見できたとしても 5年生存率が80%程度で、検診法としては不十分である。 最近注目を浴びているのが「胸部ヘリカルCTスキャン」による検診だ。これなら通常のレントゲン撮影では発見できない数ミリサイズの肺がんが検出できるので、早期治療を行えば転移のリスクも少なくなる。 では、見つかったらどのような治療を受けるのが望ましいのか? 上に紹介した記事には一般的な手術以外にダメージの少ない治療法が具体的に詳しく解説されている。最終的には自分(患者)自身が選択するのだが、病院によって勧める治療法が異なるようなので、迷いが生じる。 判断基準を挙げてみると、
むしろ、手術そのものより、適切な麻酔や術後に心配な肺炎などの合併症対策が重要になる。このあたりは信頼できる病院を選ぶしかない。なお、手術を受けるにはそれに耐え得る体力がないとダメなので、日頃の健康管理が大切だ。ゴルフなども 1ヶ月経てばOKだ。 このように書けるのは、1月に手術した経験があるからで、そのあたりの様子は、下記を読んでいただけば分かる。
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2007年03月06日
末期がん、ホスピス、海外旅行
末期がん、ホスピス、海外旅行とキーワードが3つ並べば、もう回復の見込みがないがん患者が静かに天命を全うしたいけど、冥土の土産にせめて海外旅行でも・・・というストーリーかと思われるかもしれないが、これから書くブログは少し違う。
第1話:東京タワー
美大出のフリーターがどん底をさ迷いながらも何とか抜け出して浮上し、東京に母親を呼んで孝行を始めるが、何かと世話好きな母ががんに侵され、亡くなって行く様子をリアルに描写したベストセラーといえば、リリー・フランキーの東京タワーだが、通常のがん体験記を読むより身に迫ってくる。その意味でもこの本は読む価値がある。


第2話:ホスピス
ホスピス緩和ケアの定義はWHOにより2002年に新しく改定されたが、心身ともに痛みを緩和し、積極的な延命措置は行わない点で、通常の病院とは異なる。ホスピス科に入院していて残念なことに最近永眠された知人の場合、モルヒネや水分、栄養剤などの点滴は行っていたが、酸素マスクもなく、血圧やパルスの計測器も装着していなかった。それが一般的なのかどうかについては知らないが・・・。
第3話:肺がん手術後のリハビリテーション
死亡率第1位の肺がんは、早期発見が難しいのと、転移しやすいため、タバコを吸っていなくてもCTスキャンによる検診が重要になってきている。幸いにしてミリサイズのレベルでがんが見つかった場合は、手術により完治できる可能性が高い。それでも手術すれば肺機能は落ちるので、手術直後からできるだけ歩くように指導を受ける。1,2ヶ月様子を見て問題なしと判定されると、これからは生活の枠を広げて海外旅行や温泉にでも行き、更なる機能回復を図るようにとのコメントを受ける。半年ごとの検診は続くが、通常のがん手術を受けたケースと比べれば夢見たいな話だ。早期発見のための精度の高い検診が普及することを祈る。
第1話:東京タワー
美大出のフリーターがどん底をさ迷いながらも何とか抜け出して浮上し、東京に母親を呼んで孝行を始めるが、何かと世話好きな母ががんに侵され、亡くなって行く様子をリアルに描写したベストセラーといえば、リリー・フランキーの東京タワーだが、通常のがん体験記を読むより身に迫ってくる。その意味でもこの本は読む価値がある。


第2話:ホスピス
ホスピス緩和ケアの定義はWHOにより2002年に新しく改定されたが、心身ともに痛みを緩和し、積極的な延命措置は行わない点で、通常の病院とは異なる。ホスピス科に入院していて残念なことに最近永眠された知人の場合、モルヒネや水分、栄養剤などの点滴は行っていたが、酸素マスクもなく、血圧やパルスの計測器も装着していなかった。それが一般的なのかどうかについては知らないが・・・。
第3話:肺がん手術後のリハビリテーション
死亡率第1位の肺がんは、早期発見が難しいのと、転移しやすいため、タバコを吸っていなくてもCTスキャンによる検診が重要になってきている。幸いにしてミリサイズのレベルでがんが見つかった場合は、手術により完治できる可能性が高い。それでも手術すれば肺機能は落ちるので、手術直後からできるだけ歩くように指導を受ける。1,2ヶ月様子を見て問題なしと判定されると、これからは生活の枠を広げて海外旅行や温泉にでも行き、更なる機能回復を図るようにとのコメントを受ける。半年ごとの検診は続くが、通常のがん手術を受けたケースと比べれば夢見たいな話だ。早期発見のための精度の高い検診が普及することを祈る。
2007年03月03日
タミフルの副作用:言い様のない気持ちの悪い苦しみ
2月下旬、インフルエンザと疑われる風邪に罹り、タミフルを服用したところ、一晩で39℃の高熱が36℃台まで下がった。ところが今まで経験したことのないような気持ちの悪さが襲い、夜中に2時間ほど苦しんだ。寝ていられないし、吐き気はするし、トイレへ行ったり、しゃがみこんだり、散々な目にあった。明け方、2度目の苦しみに襲われ、ようやく落ち着いたのは朝9時を過ぎていた。
副作用と疑われる症状で、子供の犠牲者が報じられているが、大人でも程度は異なるかも知れないが副作用があるのは事実であろう。いずれにしても服用に際しては個人差はあると思うが、通常の薬よりも注意が必要だと実感した。
なお、タミフルの効能と副作用については次のサイトに分かりやすい解説がある。 インフルエンザ治療薬「タミフル」とは?
経過を簡単に記すと、
1.避けられない事情で3日ほど無理をした。
2.午後から少し体調が悪くなったので、夕方かかりつけのクリニックへ行った。
3.37.8℃の熱と喉の軽い炎症があったので、インフルエンザの検査をした。
4.結果は白だったが、念のためタミフルを処方してもらった。
5.帰宅後すぐ寝たが夜8時、39.1℃に熱が上がったので、医師に電話した。
6.タミフルを飲んだ方がいいのではとのコメントに従い、1錠服用した。
7.一晩苦しんだが、熱は劇的に下がった。
8.翌朝、医師の指示で服用は中止し、通常の風邪薬に切り替えた。
9.2日間静かにして様子を見たが、どうやら治ったらしい。
初期だったのでインフルエンザの検査が陽性を示さなかったようだが、タミフルは普通の風邪には効かないので、熱が劇的に下がった状況から、インフルエンザであった疑いが濃い。なお、予防接種は受けていたので、幸いにして症状は軽くて済んだようだ。
副作用と疑われる症状で、子供の犠牲者が報じられているが、大人でも程度は異なるかも知れないが副作用があるのは事実であろう。いずれにしても服用に際しては個人差はあると思うが、通常の薬よりも注意が必要だと実感した。
なお、タミフルの効能と副作用については次のサイトに分かりやすい解説がある。 インフルエンザ治療薬「タミフル」とは?
経過を簡単に記すと、
1.避けられない事情で3日ほど無理をした。
2.午後から少し体調が悪くなったので、夕方かかりつけのクリニックへ行った。
3.37.8℃の熱と喉の軽い炎症があったので、インフルエンザの検査をした。
4.結果は白だったが、念のためタミフルを処方してもらった。
5.帰宅後すぐ寝たが夜8時、39.1℃に熱が上がったので、医師に電話した。
6.タミフルを飲んだ方がいいのではとのコメントに従い、1錠服用した。
7.一晩苦しんだが、熱は劇的に下がった。
8.翌朝、医師の指示で服用は中止し、通常の風邪薬に切り替えた。
9.2日間静かにして様子を見たが、どうやら治ったらしい。
初期だったのでインフルエンザの検査が陽性を示さなかったようだが、タミフルは普通の風邪には効かないので、熱が劇的に下がった状況から、インフルエンザであった疑いが濃い。なお、予防接種は受けていたので、幸いにして症状は軽くて済んだようだ。
2007年01月18日
初期肺がんの手術は怖くない!
初期肺がんの手術は怖くない!
外科手術はリスクが大きい、回復に時間がかかる、後遺症が心配などいろいろ不安要因が重なって、できれば避けたいと考える。がん治療の場合は、抗癌剤、放射線治療などほかにも選択肢があるので、自分に都合のいいように解釈しがちだ。
初期肺がんの場合は手術が標準で、それができない場合に他の方法を考えるという順番らしい。素人目にはピンポイント照射による放射線治療など魅力のある方法が気になるのだが、実際に診断を受けた先生方の説明を聴いていると、総合的に考えて手術を避ける理由がなくなる。
外科手術はリスクが大きい、回復に時間がかかる、後遺症が心配などいろいろ不安要因が重なって、できれば避けたいと考える。がん治療の場合は、抗癌剤、放射線治療などほかにも選択肢があるので、自分に都合のいいように解釈しがちだ。
初期肺がんの場合は手術が標準で、それができない場合に他の方法を考えるという順番らしい。素人目にはピンポイント照射による放射線治療など魅力のある方法が気になるのだが、実際に診断を受けた先生方の説明を聴いていると、総合的に考えて手術を避ける理由がなくなる。

CTスキャンで見つかった小さな初期肺がんの場合、手術は大げさに思えるのだが、転移のリスクなど先々のことを考慮すると、それが正解らしい。本やウェブサイトで調べた知識と最新の手術法とには大きな差があり、ダメージも相当に小さくなっているようだ。
そもそもCTスキャンが普及したのはここ数年のことでもあり、そのレベルでの治療実績は多いとはいえないが、医療現場では肺がんでは難しいとされている完治を目指して自信を持って臨んでいる様子が伝わってくる。手術といっても15cm ほど切るだけで、筋肉や肋骨にはダメージを与えず、数日で退院できる。転移のリスクを避けるため周辺のリンパ節もとる。
そもそもCTスキャンが普及したのはここ数年のことでもあり、そのレベルでの治療実績は多いとはいえないが、医療現場では肺がんでは難しいとされている完治を目指して自信を持って臨んでいる様子が伝わってくる。手術といっても15cm ほど切るだけで、筋肉や肋骨にはダメージを与えず、数日で退院できる。転移のリスクを避けるため周辺のリンパ節もとる。

それよりも気を付けなければいけないのは、日常の健康管理だ。手術がベストだといってもそれに耐えられる身体でないと受けられない。術後の合併症には要注意だ。がんそのものに自覚症状がなくても、他に具合の悪いところがあれば、早期発見に成功してもその治療法が限られてしまう。
つまり、自分の健康維持には一般的な健康管理をきちんと行うのが先決であり、自覚できない不具合を最先端の検診法で早期発見し、適切な治療を受ける姿勢が大切ということになる。予防のための検診は健康保険の適用外だが、どこかおかしい!
つまり、自分の健康維持には一般的な健康管理をきちんと行うのが先決であり、自覚できない不具合を最先端の検診法で早期発見し、適切な治療を受ける姿勢が大切ということになる。予防のための検診は健康保険の適用外だが、どこかおかしい!
2007年01月17日
最新の初期肺がん(10mm以下)手術、体験記
最新の初期肺がん手術事例
2年前、国立がんセンター内にある予防・検診研究センターで総合検診を受けた際、胸部CTスキャンで右上葉に数ミリサイズの結節が見つかり、経過観察となった。最近の検診で悪性の可能性が高いとの診断がなされ、中央病院でも診て貰ったところ、手術を勧められた。このブログはその体験記である。

国立がんセンター中央病院18階談話室からの眺め(クリックで拡大)
CTスキャンだけでは、問題の結節が悪性腫瘍か否か断定できない。その部分からサンプリングして顕微鏡検査をしないと最終判定はできないが、肺の場合はサンプリングが難しい。細かい話は省略するが、手術をするが該当部分の顕微鏡検査で浸潤がなければ部分切除あるいは区分切除、浸潤が見られれば上葉切除することになった。なお、浸潤については一つ前のブログで触れたが、引用記事のスケッチは乳がんの例だそうで、肺は組織が薄く、規定膜が1層しかないので、浸潤が見られた場合には転移のリスクが他のがんに比べて高いとのことです。
手術時間は3時間弱、脇の下を筋肉や肋骨にはダメージを与えない方法で約15cm 切る。出血は殆どない。麻酔は硬膜外麻酔と全身麻酔。リスクは手術そのものより、術後の合併症が怖い。回復が順調であれば、手術の4日後には退院できる。
手術時間は3時間弱、脇の下を筋肉や肋骨にはダメージを与えない方法で約15cm 切る。出血は殆どない。麻酔は硬膜外麻酔と全身麻酔。リスクは手術そのものより、術後の合併症が怖い。回復が順調であれば、手術の4日後には退院できる。

18F 病室から日の出直後の北側の風景(クリックで拡大)
翌日には歩行訓練開始、肺機能の回復には歩くのがベストとのこと。昼食から普通食、痛みは鎮痛剤使用で対応、個人差があるようだが数日から1ヶ月で治まるらしい。手術当日の夜は自分では寝返りを打てないので看護師に助けてもらう。翌日はベッドを起こしながら座り、位置をずらすなど工夫して体位を変える。歩行訓練は毎日2,3回病院内の廊下を数周した。
予定通り術後4日目に退院し、晴れた日は毎日散歩に努めている。
予定通り術後4日目に退院し、晴れた日は毎日散歩に努めている。
2007年01月08日
初期がんの診断と微小浸潤がんの話
初期がんの診断と微小浸潤がんの話
わが国では、国民の3人に1人ががんで亡くなっており、がんの予防は健康対策の中でも最重要課題と言えます。悪いことに、自覚症状が出てからのがん治療は手遅れになるケースが多く、 一般に定期的な検診による早期発見が治療効果を高めると言われています。特に肺がんの場合は胸部]線撮影では初期がんの発見が難しく、ヘリカルCTスキャンによる検査が有効であるとの情報が多くなってきました。
では初期がんとはどのレベルを指すのでしょうか? 専門的には “微小浸潤がん” と呼ぶようですが、ウェブサイトで 調べても詳しい資料は見当たりません。“がん” と “癌” の区別があるようなので、“微小浸潤癌” で検索すると素人わかりのする解説が見つかります。このサイトは医者が書いたものではなく、ある女性細胞検査士のページなのですが、良悪性を区別するのは? のページと併せて読むと参考になります。
ところで、初期がんが見つかったら直ぐに治療すべきか否かについては いろいろと意見があるようですが、内視鏡で明らかにがんと分かる場合などは別として、医者の見解を聞いた上で自分の責任で決めるのが現在の基準のようです。
肺がんでは、疑わしい結節が見つかってもその部分をサンプリングすることが難しいケースが多く、間接的な情報で判断せざるを得ない場合があります。つまりしばらく様子を見てもよいのか、その間に転移してしまったら取り返しがつかなくなるのか、医者にも判断できかねるグレーなケースがあるとのことです。 いずれにしても早期発見が重要であることには異論がないので、検出精度の高い検査法で定期健診を受けることが必要になります。
国立がんセンターの中にある「 がん予防・検診研究センター」では、3年前から新しい検診法の研究を開始し、受診者の募集を始めました。まだデータが少なく検診の標準にはなっていませんが、科学的により精度が高いと言われているCTスキャン、内視鏡、PET などをメインにした検査法を用いて毎年5000人規模で長期間にわたり追跡調査を行うようです。受診者個人にとっても早期発見に繋がればメリットがあるし、プロジェクト全体としてみれば、新しい検診法の有意性を統計的に確認できるわけですから、国民にとっても望ましいことです。ただ、受診者の負担も大きい(PETなしでも10万円弱)のが気になりますが・・・。
わが国では、国民の3人に1人ががんで亡くなっており、がんの予防は健康対策の中でも最重要課題と言えます。悪いことに、自覚症状が出てからのがん治療は手遅れになるケースが多く、 一般に定期的な検診による早期発見が治療効果を高めると言われています。特に肺がんの場合は胸部]線撮影では初期がんの発見が難しく、ヘリカルCTスキャンによる検査が有効であるとの情報が多くなってきました。
では初期がんとはどのレベルを指すのでしょうか? 専門的には “微小浸潤がん” と呼ぶようですが、ウェブサイトで 調べても詳しい資料は見当たりません。“がん” と “癌” の区別があるようなので、“微小浸潤癌” で検索すると素人わかりのする解説が見つかります。このサイトは医者が書いたものではなく、ある女性細胞検査士のページなのですが、良悪性を区別するのは? のページと併せて読むと参考になります。
ところで、初期がんが見つかったら直ぐに治療すべきか否かについては いろいろと意見があるようですが、内視鏡で明らかにがんと分かる場合などは別として、医者の見解を聞いた上で自分の責任で決めるのが現在の基準のようです。
肺がんでは、疑わしい結節が見つかってもその部分をサンプリングすることが難しいケースが多く、間接的な情報で判断せざるを得ない場合があります。つまりしばらく様子を見てもよいのか、その間に転移してしまったら取り返しがつかなくなるのか、医者にも判断できかねるグレーなケースがあるとのことです。 いずれにしても早期発見が重要であることには異論がないので、検出精度の高い検査法で定期健診を受けることが必要になります。

2005年10月01日
健康と食事、水 ― Dr.Sinya(新谷弘実先生)の著書より ―
健康を良好に維持するには正しい食事が大切であることは誰でも知っている。ところが正しい食事とは何かとなると、いろいろな説があってまぎらわしい。ニューヨークと東京を拠点にして活躍している新谷先生の著書を読むと、自分の食生活を見直す必要性を感じる。最近よく話題になる体内酵素が欠乏すると病気なりがちなので、体内酵素を消耗しないように気を付けるのと、体内酵素の補給を心掛けることが重要になるとのことである。具体的なことは著書(最新刊「健康の結論 〜胃腸は語るゴールド編〜」やウェブサイト http://www.drshinya.com/を読んでいただくとして、幾つかショッキングなことを挙げてみる。
1.牛乳は飲まないほうがよい。(乳製品もよくない)
2.お茶やコーヒーも多く飲むとよくない。
3.良い水(ミネラル水や電解還元水など)を食事の30分ー1時間前に、コップ2,3杯飲む。
牛乳より豆乳がよいとのこと、人間が飲んでいる牛乳を子牛に飲ませると死んでしまうとか、とにかく良くないのだそうだ。お茶に含まれるタンニンは胃壁を痛めるらしい。水道水は塩素が含まれているから飲んではいけないのは誰でも知っている。それなのに、水道水を沸かしたお風呂に入ったり、シャワーを浴びるのは気にならないのかと問われると、返答に窮する。高齢者の体内酵素は幼児の百分の一しかないので、特に注意が必要とある。体内酵素が無くなったとき、寿命が尽きるのだそうだ。
1.牛乳は飲まないほうがよい。(乳製品もよくない)
2.お茶やコーヒーも多く飲むとよくない。
3.良い水(ミネラル水や電解還元水など)を食事の30分ー1時間前に、コップ2,3杯飲む。
牛乳より豆乳がよいとのこと、人間が飲んでいる牛乳を子牛に飲ませると死んでしまうとか、とにかく良くないのだそうだ。お茶に含まれるタンニンは胃壁を痛めるらしい。水道水は塩素が含まれているから飲んではいけないのは誰でも知っている。それなのに、水道水を沸かしたお風呂に入ったり、シャワーを浴びるのは気にならないのかと問われると、返答に窮する。高齢者の体内酵素は幼児の百分の一しかないので、特に注意が必要とある。体内酵素が無くなったとき、寿命が尽きるのだそうだ。
2005年05月24日
眼底検査と網膜裂孔
人間ドックや定期検診のメニューにも眼底検査があり、撮影した眼底写真を医師が診ていくつかの病気の早期発見に役立てている。ところが、写真だけでは見つからない症状もあり、眼科での眼底検査を受けた方がよい。

理由は千葉医師会のウェブサイトにある「病気の豆知識」のコーナーに、「眼底検査」・・・受けたことありますか というページがあり、分かりやすい解説がある。その一部を引用すると・・・
ドックや検診での眼底検査は、一般的には「眼底写真」での検査が多いようです。これはカメラで眼底を撮影し、この写真から判定するわけです。多人数をスクリーニング検査するには良い方法ですが、「写真」 である以上、検査には限界があります。
まず、ごく小さな変化は写らないことがあります。ピンボケの場合はもちろんですが、白内障など目の中に濁りの出てくる状態だと、この濁りが邪魔をして写真がうまく写りま せん。また、当然のことですが、写真に写っていない部分のことは全くわかりません。実は「眼底写真」に写る範囲は網膜中央部のごく一部で、面積では網膜全体の10分の1以下なのです。しかし、この狭い範囲に物を見るのに大事な部分が集中しています。
網膜の中心部で、視力にとって一番大事な黄斑部(おうはんぶ)が中央に写ります。その隣りに視神経の集まった場所である視神経乳頭が写ります。緑内障という病気のとき、この部分がへこんでくることがあります。また、網膜の血管も写りますので、高血圧や動 脈硬化などの程度もわかります。しかし、忘れてならないのは、あくまで写真に写るのは網膜の一部だけであるということです。ですから、眼底写真では異常なしでも網膜全体が異常なしとは限りません。
成人の失明原因のトップである糖尿病性網膜症の初期の変化は、実はこの写真に写っていない部分に起こってくることが多いのです。また、網膜剥離の原因となる網膜裂孔(もうまくれっこう)も、ほとんどは網膜の周辺部に起こってきます。
網膜裂孔の治療はレーザー光による網膜光凝固術と呼ばれる方法で行われるが、外来で受けられる。次のサイトに詳しい解説がある。網膜裂孔に対するレーザー網膜光凝固術
いわゆる通常の検診では発見されない自覚症状のない重大な病気を調べるには一歩突っ込んだ検査が必要であり、これは自己責任で受診するしかない。

理由は千葉医師会のウェブサイトにある「病気の豆知識」のコーナーに、「眼底検査」・・・受けたことありますか というページがあり、分かりやすい解説がある。その一部を引用すると・・・
ドックや検診での眼底検査は、一般的には「眼底写真」での検査が多いようです。これはカメラで眼底を撮影し、この写真から判定するわけです。多人数をスクリーニング検査するには良い方法ですが、「写真」 である以上、検査には限界があります。
まず、ごく小さな変化は写らないことがあります。ピンボケの場合はもちろんですが、白内障など目の中に濁りの出てくる状態だと、この濁りが邪魔をして写真がうまく写りま せん。また、当然のことですが、写真に写っていない部分のことは全くわかりません。実は「眼底写真」に写る範囲は網膜中央部のごく一部で、面積では網膜全体の10分の1以下なのです。しかし、この狭い範囲に物を見るのに大事な部分が集中しています。
網膜の中心部で、視力にとって一番大事な黄斑部(おうはんぶ)が中央に写ります。その隣りに視神経の集まった場所である視神経乳頭が写ります。緑内障という病気のとき、この部分がへこんでくることがあります。また、網膜の血管も写りますので、高血圧や動 脈硬化などの程度もわかります。しかし、忘れてならないのは、あくまで写真に写るのは網膜の一部だけであるということです。ですから、眼底写真では異常なしでも網膜全体が異常なしとは限りません。
成人の失明原因のトップである糖尿病性網膜症の初期の変化は、実はこの写真に写っていない部分に起こってくることが多いのです。また、網膜剥離の原因となる網膜裂孔(もうまくれっこう)も、ほとんどは網膜の周辺部に起こってきます。
網膜裂孔の治療はレーザー光による網膜光凝固術と呼ばれる方法で行われるが、外来で受けられる。次のサイトに詳しい解説がある。網膜裂孔に対するレーザー網膜光凝固術
いわゆる通常の検診では発見されない自覚症状のない重大な病気を調べるには一歩突っ込んだ検査が必要であり、これは自己責任で受診するしかない。
2005年04月21日
免疫細胞療法による“がん”治療:第4の治療法になるか?

シャクナゲ
皆さんご存知のように、日本人の死亡原因の第一位は“がん”で、年間約30万人が亡くなっている。その治療法としては手術、放射線治療、抗がん剤治療の3つが知られているが、いずれもがんを外的な力で取り除く方法である。がん細胞が転移した場合には、それを完治させるのは難しい。
また、効果の確認が客観的なデータで示されないため、医薬品として認められず、健康食品扱いで販売されているものも多数あるが、これらはいわゆる免疫療法の一種といえる。近年その免疫学が著しく発展し、免疫反応のかなり詳しい部分まで明らかになり、免疫細胞療法と呼ばれる新しい免疫療法が出てきた。
詳しくは産経新聞のウェブサイトに、免疫細胞療法の解説記事があるので、興味のある方は次のサイトにアクセスして読んでいただきたい。 http://www.sankei.co.jp/ad/gan/
また、この治療法を数年前から導入している「瀬田クリニック」のサイトにも詳しい解説がある。http://www.j-immunother.com/index.html
その一部を転載すると、
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がんの免疫細胞療法とは
我々の体内の中では常にがん細胞が発生していると考えられています。しかし身体には発生したがん細胞を抑え込もうとする力が自然に備わっています。これは主として免疫系の細胞の働きによるものです。
がんの増殖がこの免疫細胞による抑制を上回った場合に、がんが実際の病変として現れて来ます。また一旦がんが出来てしまうと、がん自身に免疫を抑える力が生じてくるために、がんと免疫の力のバランスが、がんのほうにますます片寄ってしまいます。
それ故病変としてすでに発生してしまったがんを免疫細胞の力で抑えるためには、免疫細胞の働きを人為的に大巾に強めて、この力のバランスを免疫細胞の方に傾けてやらなければなりません。
これを行おうとするのが、がんに対する免疫療法です。
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考えてみると、がんに限らずいろいろな病気に対して、免疫細胞が効果的に働けば回復するし、逆に免疫力が衰えれば悪化することは常識的にも理解できる。いろいろな原因で生ずるストレスが免疫力を弱めたり、気力が衰えた場合にも回復が難しくなるなど心理的な影響も免疫力を低下させる原因のひとつと考えられる。ただ、個人差もあり、データで効果があると証明することが客観的に難しいため、西洋医学ではそれらの多くがまだ認知されるに至っていない。したがって健康保険の適用も受けられず、治療費の負担も大きい。
また、患者の弱みに付け込んで効果の定かでない健康食品を売りつけるビジネスが多くあるのも事実であり、結局は家族も含めた自己責任で判断することが重要になってくる。私は上記のサイトを読んで遅ればせながら次のように感じた。
がんは完治することは難しいが、悪化しないレベルでバランスが取れれば、正常な日常生活が送れるケースが多いとのことなので、それに有効な治療法は健康保険の適用が受けられるような措置を検討することが必要なのではなかろうか。
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(追記)次のウェブサイトに更に詳しい情報があります。
1.日本免疫治療学研究会 http://www.jrai.gr.jp/
2.国立がんセンター、免疫療法 http://www.ncc.go.jp/jp/ncc-cis/pub/treatment/010707.html
3.自由診療保険 http://www.lymphotec.co.jp/insurance/index.html
2005年04月06日
格差スパイラルと食の安全
格差スパイラルが市民の生活レベル低下を招き、食の安全をも犯す!
最近、いろいろな分野で格差が広がり、健全な市民生活が損なわれようとしている。4月2日の夜、NHKで放映された新番組「日本の、これから」の第1回、「どう思いますか格差社会」でも、所得格差などをいろいろな角度から討論形式で議論していたが、残念ながら具体的な解決策に至らなかった。
30年前にアメリカで生まれたファストフード産業は、またたく間に成長し世界中に広まっている。M社は資本主義の典型的な手法のひとつである徹底的な合理化で、安いファストフードを消費者に提供することで人気を得た。引き続き、原料であるポテトや牛を農家や牧場から専属契約方式で安く買い上げ、更に加工工場を専有化して合理化することにより、コストダウンを図った。また、販売店のチェーン化を進めて巨大な企業になり、今や国家の動向まで左右する力を持つに至った。
その間、中小の農家や工場はつぶれ、労働者の賃金も低下し、夫の稼ぎだけでは生活が苦しくなったこともあり、既婚女性もパートやアルバイトで生活費を補填する破目になった。いままで家庭で食事を作っていた主婦も、安くて手軽なファストフードに走り、ファストフード店がますます儲かるというスパイラル現象が起こった。つまり、所得格差が大きくなったことにより、低所得者はファストフードに走り、ファストフード産業はますます栄えるというスパイラルのパターンである。
これだけなら、他の産業でも大なり小なり起こっている現象で、資本主義の世界では容認されている。ところが、ハンバーガーによる食中毒はアメリカ国内でも大きな問題になっており、その対策に苦慮しているとのことである。そんなさなか、BSE問題が発生した。不幸にしてBSEの発生国となったイギリスを始めとして主たるヨーロッパ各国は科学的根拠に基づいて多少の差はあるものの、国民の納得できる対策を講じた。日本はBSEをやや甘く見ていたために、国内で発生するや国を挙げてのてんやわんやになったが、その後、世界で最も安全といわれる対策を講じ、現在に至っている。
それではアメリカはどうしているのか? カナダから輸入した牛が1頭発病したが、それ以外は問題ないとして、ヨーロッパに近い対策を農務省が提示しているものの、それが確実に守られている証拠は得られていない。理由は簡単で、多くの牧場では他国で実施している出生管理すらできないし、大規模な食肉加工工場では危険部位の除去作業を行う工程の管理が十分でない工場が多いと言われている。
アメリカでも十分な対策を講じ、必要な管理のできる牧場や加工工場もあるが、なぜか農務省が許可しないと言われている。推測するに、それを認めれば、大規模牧場や加工工場がそれに従わざるを得なくなり、牧場経営のシステムを根本から変える必要が生じるため、政府にプレッシャーをかけ、阻止しているのであろう。
アメリカは結果オーライの国である。実際にBSEに感染した牛がもっと出てこない限り、動かないであろう。死んでいく牛の検査も十分に行っていないようだから、この件ではまともな交渉はできないと考えたほうが良い。危険を冒してまで輸入する必要はないのだから、科学的見地で納得できる対策とそれを実施している証拠を示してもらわない限り、妥協の余地はない。
考えてみれば皮肉な話で、資本主義を進めて国家を発展させようと努力しているのに、どこで歯車が狂ったのか、少なからぬ国民が不幸になり、科学的な問題提起にも正しいアクションが取れず、アメリカだけが裸の王様になりかかっている。負のスパイラルほど恐ろしいものはない。なお、上に述べた内容に関しては、次の2冊の本に詳しく書かれている。
1.「ファストフードが世界を食いつくす(FAST FOOD NATION)」
エリック・シュローサー著、楡井浩一訳、草思社、 1,600円
2.「牛肉と政治 不安の構図」中村靖彦、文春新書437、 700円
最近、いろいろな分野で格差が広がり、健全な市民生活が損なわれようとしている。4月2日の夜、NHKで放映された新番組「日本の、これから」の第1回、「どう思いますか格差社会」でも、所得格差などをいろいろな角度から討論形式で議論していたが、残念ながら具体的な解決策に至らなかった。
30年前にアメリカで生まれたファストフード産業は、またたく間に成長し世界中に広まっている。M社は資本主義の典型的な手法のひとつである徹底的な合理化で、安いファストフードを消費者に提供することで人気を得た。引き続き、原料であるポテトや牛を農家や牧場から専属契約方式で安く買い上げ、更に加工工場を専有化して合理化することにより、コストダウンを図った。また、販売店のチェーン化を進めて巨大な企業になり、今や国家の動向まで左右する力を持つに至った。
その間、中小の農家や工場はつぶれ、労働者の賃金も低下し、夫の稼ぎだけでは生活が苦しくなったこともあり、既婚女性もパートやアルバイトで生活費を補填する破目になった。いままで家庭で食事を作っていた主婦も、安くて手軽なファストフードに走り、ファストフード店がますます儲かるというスパイラル現象が起こった。つまり、所得格差が大きくなったことにより、低所得者はファストフードに走り、ファストフード産業はますます栄えるというスパイラルのパターンである。
これだけなら、他の産業でも大なり小なり起こっている現象で、資本主義の世界では容認されている。ところが、ハンバーガーによる食中毒はアメリカ国内でも大きな問題になっており、その対策に苦慮しているとのことである。そんなさなか、BSE問題が発生した。不幸にしてBSEの発生国となったイギリスを始めとして主たるヨーロッパ各国は科学的根拠に基づいて多少の差はあるものの、国民の納得できる対策を講じた。日本はBSEをやや甘く見ていたために、国内で発生するや国を挙げてのてんやわんやになったが、その後、世界で最も安全といわれる対策を講じ、現在に至っている。
それではアメリカはどうしているのか? カナダから輸入した牛が1頭発病したが、それ以外は問題ないとして、ヨーロッパに近い対策を農務省が提示しているものの、それが確実に守られている証拠は得られていない。理由は簡単で、多くの牧場では他国で実施している出生管理すらできないし、大規模な食肉加工工場では危険部位の除去作業を行う工程の管理が十分でない工場が多いと言われている。
アメリカでも十分な対策を講じ、必要な管理のできる牧場や加工工場もあるが、なぜか農務省が許可しないと言われている。推測するに、それを認めれば、大規模牧場や加工工場がそれに従わざるを得なくなり、牧場経営のシステムを根本から変える必要が生じるため、政府にプレッシャーをかけ、阻止しているのであろう。
アメリカは結果オーライの国である。実際にBSEに感染した牛がもっと出てこない限り、動かないであろう。死んでいく牛の検査も十分に行っていないようだから、この件ではまともな交渉はできないと考えたほうが良い。危険を冒してまで輸入する必要はないのだから、科学的見地で納得できる対策とそれを実施している証拠を示してもらわない限り、妥協の余地はない。
考えてみれば皮肉な話で、資本主義を進めて国家を発展させようと努力しているのに、どこで歯車が狂ったのか、少なからぬ国民が不幸になり、科学的な問題提起にも正しいアクションが取れず、アメリカだけが裸の王様になりかかっている。負のスパイラルほど恐ろしいものはない。なお、上に述べた内容に関しては、次の2冊の本に詳しく書かれている。
1.「ファストフードが世界を食いつくす(FAST FOOD NATION)」
エリック・シュローサー著、楡井浩一訳、草思社、 1,600円
2.「牛肉と政治 不安の構図」中村靖彦、文春新書437、 700円
2005年03月29日
BSE問題、全頭検査緩和の答申(2005-3-28)に思う
食品安全委員会(プリオン専門調査会)は BSE検査の対象から生後 20ヶ月以下の牛を除外することを容認する答申案をまとめた。その要点は、国内では脳など危険部位の除去や肉骨粉の飼料規制が適切に実施されているとして、緩和による食品としての危険度(リスク)は「非常に低いレベルの増加にとどまるものと判断される」と結論づけたものである。
これだけで、アメリカ産牛肉の輸入が再開されるわけではないが、テレビや新聞の多くは、まだ安全性の確認方法に問題が残されているとしながらも、夏以降に輸入が再開される公算が大きくなったと報じている。
日本では、牛肉のトレーサビリティに関する法律が2003年6月に制定され、2004年12月1日以降に処理された精肉には個体識別番号(またはロット番号)の表示と記録の保存が義務付けられた。詳しい情報は、農林水産省のウェブサイトにあるTraceability(トレーサビリティ関係)に載っているので、ぜひ一読して欲しい。その要点は下記のようなものだ。

つまり、これを忠実に実施した牛肉であればアメリカ産でも輸入可能になると判断してもよいと考えられる。具体的には、アメリカの広い牧場で生まれたすべての牛に個体識別番号が印字された耳標を付け、出生からとさつ(と畜・解体処理)までの記録をデータベース化し、牛肉になってからの加工データや流通過程の管理記録などを明確に示す生産システムの確立が前提になる。これが半年や1年で実現する可能性は考えられないであろう。
ライブドア騒動の議論で、テレビや新聞はその分野の専門家が責任ある報道をしているが、インターネットの情報は信頼性に乏しいと批判しているようだが、BSE問題に限ってもトレーサビリティの必要性と重要性を訴えている記事が少ないのはどうしたことか?
これだけで、アメリカ産牛肉の輸入が再開されるわけではないが、テレビや新聞の多くは、まだ安全性の確認方法に問題が残されているとしながらも、夏以降に輸入が再開される公算が大きくなったと報じている。
日本では、牛肉のトレーサビリティに関する法律が2003年6月に制定され、2004年12月1日以降に処理された精肉には個体識別番号(またはロット番号)の表示と記録の保存が義務付けられた。詳しい情報は、農林水産省のウェブサイトにあるTraceability(トレーサビリティ関係)に載っているので、ぜひ一読して欲しい。その要点は下記のようなものだ。
つまり、これを忠実に実施した牛肉であればアメリカ産でも輸入可能になると判断してもよいと考えられる。具体的には、アメリカの広い牧場で生まれたすべての牛に個体識別番号が印字された耳標を付け、出生からとさつ(と畜・解体処理)までの記録をデータベース化し、牛肉になってからの加工データや流通過程の管理記録などを明確に示す生産システムの確立が前提になる。これが半年や1年で実現する可能性は考えられないであろう。
ライブドア騒動の議論で、テレビや新聞はその分野の専門家が責任ある報道をしているが、インターネットの情報は信頼性に乏しいと批判しているようだが、BSE問題に限ってもトレーサビリティの必要性と重要性を訴えている記事が少ないのはどうしたことか?